キス
2016年5月16日 月曜日

【教えて!弁護士さん】風俗は浮気に入らないって本当?

“恋のお悩み”を解決するための連載企画(不定期)第6回は、男性の「風俗」がテーマ。男性がよく言う「風俗は浮気のうちに入らない」って屁理屈(?)、法律的にはどうなってるんでしょうか。弁護士さんに聞いてきました。

このページは2016年5月16日に公開した記事です。クーポンが終了しているものもありますのでご了承ください。

風俗

女性にはよくわからない世界ですが、男性の中には風俗店を利用する人もいます。で、彼らは「風俗と浮気はまったく別物」って言ったりしますよね。これって、法律的にも「別物」なんでしょうか。それともやっぱり男の屁理屈? 悩める女性たちを救うために、「レイ法律事務所」の弁護士さんに読者から届いた相談をぶつけてみました。

 

彼氏の風俗通いに悩む30歳からの相談内容

「彼氏が風俗店に通っていたことがわかり、大喧嘩になりました。特に腹が立ったのは『風俗は浮気じゃない』っていう彼氏の主張です。素直に謝ってくれれば、まだ許す気にもなったのに……。法律的に『風俗は浮気』なんでしょうか。それとも、彼氏が言うように『浮気じゃない』んですか? 白黒はっきりつけてください!」(30歳・亜美さん)

 

風俗は浮気なのかそうじゃないのか。筆者も男性と話していて、両者一歩も引かず……という状況になったことがあります。女性目線で見れば、キャバクラだって、それ以上のサービスのお店だって、浮気と同じくらいイヤですよね。でも、男性たちがあんなに「浮気じゃない」と主張するからには、何らかの根拠があるような気もしてきます。連載第6回のお悩みに答えてくれるのは、レイ法律事務所の代表弁護士・佐藤大和さんです。風俗の法律的な位置づけを教えてください!

 

浮気は法律上、なんの問題もない!?

佐藤弁護士

「大前提として僕は風俗に一度も行ったことがないため、特に男性の味方というわけではありません(笑)。さて、ちょっと込み入った話なので、順番に説明しましょう。今回問題になっているのは『浮気』ですが、そもそも恋愛関係であれば、浮気をしても法律的には問題ありません。法律で保護されうるパートナー関係は、婚姻関係にある夫婦か、戸籍上の夫婦ではなくても『事実婚』の状態にある内縁関係のカップル、結婚の約束をした婚約者の間だけです。この3パターンのカップルの間で、どちらかに『浮気をした』という事実があれば、仮に裁判になったときに慰謝料等が発生したり、場合によっては『離婚』や『婚約解消』ということになったりもします」

 

亜美さん、ごめんなさい! そもそも「彼氏」の浮気は法律上何の問題もないというビックリ仰天な展開です。付き合っているだけ、同棲しているだけでは婚約関係とはみなされず、「結婚しようね」と口で言い合っていても、いろいろと難しいことが多いそう。結婚式場を一緒に見に行ったり、両親の顔合わせがあったり、結納を交わしていたりすれば「婚約関係」とされる可能性が高く、ここではじめて「浮気」が問題になりうるそうです。そうなると、彼氏がどんなにひどい浮気野郎でも、慰謝料をとったりすることはできそうにありませんね。

 

食事・手つなぎ・キスはセーフです!

キス

「そうなんです。ですから今回は、上記にあげた3つのケースのカップルでの『浮気』についてお話しします。私たちは各々『浮気』について独自の境界線を持っていますが、法律上は原則として『セックスをしたかどうか』が浮気(法律では「不貞行為」といいます)の境界線になります。もっと直接的なことをいえば、『男性器の女性器への挿入があったかどうか』がポイントに。そのため、食事に行ったり、手をつないだり、キスをしたり……という行為はセーフ。ただ、セックスの現場を押さえることはできなくても、基本的には、ラブホテルに二人で入ったり、同じ部屋に泊まったりすれば『浮気(不貞行為)をした』と判断される可能性は高いでしょう」

 

キスはセーフ!? な、なるほど……。でも、それが法律の見解だってことですね。となると、キャバクラは浮気じゃないけど、それ以上のサービスを提供する風俗店は浮気ってこと?

 

「それが難しいところで(苦笑)。ソープランドなど、実際には本番行為があると言われているお店もあるかもしれませんが、表向きは『禁止』ということになっています。あそこで本番行為が行われているかどうかはわからない……というグレーゾーンなんです。ファッションヘルスなども、本番行為が行われているという話を聞いたこともありますが、基本的には手や口によるサービスのみということになっているので『浮気(不貞行為)』には分類されないでしょう。つまり、『風俗店は浮気(不貞行為)とは別物』という男性陣の主張は正しいということになります

 

えーっ!! 今回二度目のまさかの展開。その言い訳、ちょっと苦しすぎませんか?

 

でも浮気が理由で金銭的に圧迫されたら請求可能

彼氏に怒る

「たしかにそうですね(笑)。僕も個人的な意見としては、苦しいなと思います。でも、『浮気じゃないから風俗店に通っても大丈夫』というわけではないんですよ。女性側が嫌がっているにもかかわらず、男性が風俗店に通うことで、金銭的に圧迫された、夫婦関係を維持できないという主張であれば、『婚姻を継続しがたい重大な事由』に該当しうるので、離婚も慰謝料の請求もあり得ます」

 

なるほど。「風俗は浮気だ」という女性の主張は通らなくても、離婚や慰謝料請求という目的を達することはできるんですね。今回は思いがけず男性側に軍配が上がってしまいましたが、「法律上OK」なのと、亜美さんが許すかどうかは別の話。好きで付き合っている者同士なのだから、彼氏・彼女が嫌がることは、絶対にしちゃいけないはずです。「法律ではOKだから」って反省しない彼氏なら、見切りをつけるのもアリだと思いますよ!……というのは筆者の個人的な見解です(苦笑)。

 

人気ドラマの法律監修・指導等も行う「レイ法律事務所」

レイ法律事務所

エンターテインメント分野を中心に、学校トラブル(退学・学校事故など)、男女トラブル(不倫・離婚など)、介護トラブル、債務整理、労働トラブル、刑事事件、企業法務など幅広い案件を取り扱う法律事務所。「一人でも多くの方を加害者にも被害者にもさせない」という信念のもと、法教育活動を事務所活動の柱とし、人気ドラマ『リーガルハイ』『緊急取調室』など多数のドラマ、また今春スタートする『グッドパートナー 無敵の弁護士』の法律監修・指導等もしている。代表弁護士佐藤大和著『ずるい暗記術』(ダイヤモンド社)は国内で4万5000部、韓国などのアジアでも人気書籍となっている。また、小説『二階堂弁護士は今日も仕事がない』(マイナビ出版)も人気書籍となっている。 http://rei-law.com/

 

大高志帆
『non-no』から『President』まで、本当に何でも書くフリーのライター。好きなものはピンクとサンリオとワンピース。毎日1本映画を観て、週に一度は徹夜して、2年に一度は東京のどこかへ引越しする、いわゆる落ち着かない日々です。

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