つきまとうストーカー
2016年5月12日 木曜日

【教えて!弁護士さん】これってストーカーですか?

“恋のお悩み”を解決するための連載企画(不定期)第5回は、「ストーカー被害」がテーマ。女性なら誰でも、好きじゃない人から付きまとわれたら嫌ですよね。でも、どこからが「ストーカー」なんでしょうか? 弁護士さんに聞いてきました。

このページは2016年5月12日に公開した記事です。クーポンが終了しているものもありますのでご了承ください。

ストーカー

「誰かから好かれるのは本来嬉しいことだけど、好きでもない人からのアプローチは正直迷惑。相手がよく知らない男性だったりすると特に、「怖いな」と思っちゃうこともありますよね。でも、どこからが「ストーカー」なのか、線引きがわからない……。悩める女性たちを救うために、「レイ法律事務所」の弁護士さんに読者から届いた深刻な相談をぶつけてみました。

 

ストーカーに悩む28歳からの相談内容

「仕事の関係で知り合った人から何度も何度もLINEが送られてきます。タイプじゃないから既読をつけずに無視してたんですが、『デートしよう』『付き合ってほしい』ってしつこくて……。この前、『会社の近くまで行こうか?』ってメッセージが来てから、本当に怖くなってきました。これってストーカーでしょうか? それとも、大げさすぎますか?」(28歳・早苗さん)

 

名刺交換した人とLINEでつながったり、合コンなどの飲み会で知り合った人からFacebookの友達申請があったり。SNS全盛の今、うっかりプライベートな連絡先がバレちゃうことって結構あるんですよね。でも、異性として興味のない相手からのアプローチは、正直困る! 特に早苗さんみたいに相手が仕事関係の人だと、無下に断ることもできないし……。連載第5回のお悩みに答えてくれるのは、レイ法律事務所の弁護士・松田有加さんです。どんなことをすると「ストーカー」になるんでしょうか?

 

ストーカー規制法の8項目とは……

弁護士

「ストーカーを取り締まる法律として『ストーカー規制法』というものがあります。そこでのストーカーは、『つきまとい行為』を繰り返し行うことと定義されています。『つきまとい行為』にあたるのは次の8つです」

 

1、自宅・学校・職場などでの、つきまとい、待ち伏せ、進路への立ちふさがり、見張り、押しかけること
2、監視していると思わせるような事項を告げること
3、面会、交際等を要求すること
4、著しく粗野または乱暴な言動
5、無言電話、拒否されても連続して電話・ファクシミリ・電子メールを送信すること
6、汚物などを送付すること
7、名誉を害する事項を告げたりすること
8、性的羞恥心を侵害したりすること

 

「ちなみに、これらは恋愛感情や好意、またそれが満たされないことによるうらみの感情により、その人またはその人の家族に対して行う場合に限られます。さらに1~4については『身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、または行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる場合』と限定されます。つまり、探偵さんが調査対象者を尾行したり、監視したりすることがあっても、これはあくまでお仕事です。そして、上手な探偵さんは尾行を悟らせませんから、本人が不安を覚えることもありません。そういう場合は『ストーカー』にはあたらないということです」

 

あくまでも「恋愛感情などあり」で、1~8に当てはまればストーカーなんですね。ということは、編集者から私への締め切りの催促電話は、何度かかってきてもストーカーじゃない、と……。まぁ当たり前ですね。失礼しました。それで、早苗さんのケースはどうなんでしょうか?

 

SNSと電子メールの位置付けの違い

メールが憂鬱

「非常に難しい判断となりますね。たとえば、相手の男性は『会社まで行こうか?』と言っただけで、実際に来たわけではありません。ストーカー行為はつきまとい等を『繰り返し』行う必要があるので、1回だけの待ち伏せでは『ストーカー』とは言えません。また、繰り返しLINEを送っていますが、規制法の解釈上、LINEなどのSNSは「電子メール」とは別物ということになっています。これだけSNSが発達したにもかかわらず、遅れているともいえますね。また、早苗さんはLINEに『もう送ってこないでください』と返事をしたわけではありませんから、『拒否したにもかかわらず』という条件にも合わないんです。もっとも、『付き合ってほしい」』は交際の要求ですので、もし不安を覚える方法であれば、『ストーカー』の可能性はあります。」

 

この数年の普及状況からみて、SNSと電子メールの位置付けを同じにすべきという意見が強まっているそう。また、熱くなっている相手に対して「もうメールしないでください」と拒否するのは非常に危険なことから、法改正も検討されているんですって。たしかに、そんなこと言ったら逆上されちゃって余計に危なそう……。

 

証拠があれば警察は相談に乗ってくれる

つきまとうストーカー

「ストーカー殺人の事件があって以来、警察も証拠さえあればちゃんと相談に乗ってくれます。以前、コンビニの店員さんに数回告白の手紙を渡したり等して、ストーカー規制法違反で逮捕された人もいます。少しでもLINEの内容がエスカレートしたり、何度か待ち伏せされたりするようなことがあれば、すぐに警察に相談してくださいね」

 

ちなみに、行動がエスカレートしてきて早苗さんが警察に相談すれば、警察は相手の男性に対して「つきまとい等」を繰り返してはいけないと警告してくれる場合もあります。さらに、告訴してストーカーと認められれば、6カ月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられるそう。もちろん、そんなことにならないのが一番ですが、一人で抱え込むのも絶対にダメ! 相手の男性がさっさと諦めてくれることを祈ってます。

 

人気ドラマの法律監修・指導等も行う「レイ法律事務所」

レイ法律事務所

エンターテインメント分野を中心に、学校トラブル(退学・学校事故など)、男女トラブル(不倫・離婚など)、介護トラブル、債務整理、労働トラブル、刑事事件、企業法務など幅広い案件を取り扱う法律事務所。「一人でも多くの方を加害者にも被害者にもさせない」という信念のもと、法教育活動を事務所活動の柱とし、人気ドラマ『リーガルハイ』『緊急取調室』など多数のドラマ、また今春スタートする『グッドパートナー 無敵の弁護士』の法律監修・指導等もしている。代表弁護士佐藤大和著『ずるい暗記術』(ダイヤモンド社)は国内で4万5000部、韓国などのアジアでも人気書籍となっている。また、小説『二階堂弁護士は今日も仕事がない』(マイナビ出版)も人気書籍となっている。 http://rei-law.com/

 

大高志帆
『non-no』から『President』まで、本当に何でも書くフリーのライター。好きなものはピンクとサンリオとワンピース。毎日1本映画を観て、週に一度は徹夜して、2年に一度は東京のどこかへ引越しする、いわゆる落ち着かない日々です。

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